新たなビジネスチャンス!民泊関連市場のまとめ

民泊市場を取り巻く参入企業のまとめ

今回の民泊賃貸ブログ特集は民泊市場を取り巻く様々なサービス及び、従事する企業を簡単にまとめてみました。直接概念上、民泊は「宿を貸す側」と「宿を借りる側」の市場ですが、それを仲介する事業者、民泊に関連する事業者が入り乱れてマーケットを構成しています。大手の参入事例としては大京が東京都大田区の空き家100戸を買い取り、民泊施設として運用することを発表しています。同時にサブリース(オーナーから一括借り上げして)運営を行う「旅家」というサービスを開始。また、大東建託が「民泊gateway」という民泊運営サポートサービスを開始。大手レンタルサービスのTSUTAYA、Tポイントを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)とairbnb社が提携。その他、アパマンやホームズを運営するネクストの事例を含め、【市場ごとに区分】して簡単にまとめてありますのでご覧ください。

民泊不動産物件仲介の市場

オーナーや管理会社からの許可がないと民泊物件として使用できない事から「転貸可」というカテゴリーで民泊用物件を斡旋する不動産斡旋サービス。通常の賃貸や売買をやっている不動産会社が1カテゴリーとして民泊用物件の斡旋をやっているケースが多いので新規マーケットというよりは不動産仲介市場の周辺マーケットという捉え方が最適だと思われます。

民泊仲介サイトの市場

仲介系サイトとは、泊まりたい人「ゲスト」と、泊めたい人「ホスト」の予約をマッチングさせるITプラットフォームの事です。日本では民泊という概念で括られていますが、海外ではバケーションレンタルという言葉が一般概念化しています。業界の雄は皆さんご存知の最大手airbnb社、最近はスタートアップとして位置付けられる中国・台湾系の民泊サイト自在客(ジザイケ)が巨額の資金調達、更に比較comとの提携を行い急拡大中、airbnb社を猛追しています。

 

国内ベンチャーとしては百戦錬磨という会社が手掛ける「STAY JAPAN」(トラベルコちゃん運営のオープンドアと提携)、ネクストが手掛ける「Lifull Stay」、アパマンが手掛ける短期賃貸型の「APAMAN B&B」、アドベンチャーが手掛ける「Skyticket 民泊」。エボラブルアジアが手掛ける「TRIPSTAR民泊」。レンタルスペースや貸し会議室のマッチングを手掛けるスペースマーケット。インベスタークラウドの子会社が手掛けるP2P型宿泊マッチングプラットフォーム「tateru bnb」。スタートアップの資金調達では、百戦錬磨がクールジャパン機構と京王電鉄から14億円の調達に成功しています。airbnbはグローバル、自在客はアジア系という勢力図が出来てしまっているので、国内発の民泊仲介サイト系には差別化戦略が求められるマーケットになると思われます。

民泊M&Aアドバイザリーの市場

民泊賃貸が手掛けている【民泊セルバイ】は国内初となる民泊サービスや権利の譲渡の斡旋を行うMA関連サービス。いわゆるセットアップが完了して運用中の民泊を売りたいホストと買いたいホストをマッチングさせています。契約書や決済関連の業務もサポート。

民泊セキュリティーの市場

このマーケットは警備大手のALSOKが消防設備の設置や清掃などをワンストップで提供するサービス「民泊運営サポートソリューション」を最近スタート。セコムは2016年5月4日に、一般住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」向けの見守り・管理サービスに参入すると発表しています。

民泊運用代行の市場

民泊運用は大変手間が掛かるため、民泊サイトへの物件掲載、集客、顧客対応、クレーム処理などゲスト滞在中に生じる全ての業務を代行してくれるサービス。法人で大きくやっている会社が少なく個人のホストが代行しているケースや法人成りしたものの小規模で運営している業者が多く、最大手というブランド企業がないマーケットです。ちなみに国内ではスタートアップとしてファミリアリンクという会社が日本ベンチャーキャピタルから第三者割当増資および新株予約権付き融資によって4500万円の資金調達に成功、更に、株式会社SQUEEZEがジャフコSV4共有投資事業有限責任組合とインキュベイトファンド3号投資事業有限責任組合、その他事業会社および個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額約4.2億円の資金調達に成功。これからシェア争いが本格化していくと思われます。

民泊掃除代行の市場

ゲストが帰った後にハウスクリーニングを代行するサービス。既に大手の家政婦派遣会社や便利屋系が参入していますが、どちらかというと1カテゴリーとしてサービスインしている状態です。民泊清掃専門という会社も出てきていますが、こちらも個人事業主単位や法人成りしていても小規模で事業を展開しています。この領域はB to Cだけではなく、クラウドソーシングで賄える要素が強いので、C to C のエニタイムズなどのプラットフォーマーが活躍できるフィールドでもあります。国内スタートアップ且つ専門特化系で資金調達をしたベンチャーは今のところありません。

反民泊系サービスの市場

反面教師的なビジネスですが、民泊の定義が曖昧な点を突いて、ヤミ民泊の物件をリサーチして通報代行を行うサービス。現在、ホームディフェンステック社民泊ポリス(通報プラットフォーム系)などがサービスを提供していますが個人または小規模でやっているところが多くマーケットしてはかなり小さそうです。

IT・Tech系(IoT含む)の市場

民泊関連のITサービスにおいては、大きく分けると【総合情報型サイト(ポータルサイト)】と、【分野特化型のサイト】の2つに分けられます。ポータルサイトを運営している会社がいくつかありますが、コンテンツ量はどのサイトも似たり寄ったりの状態で、著名サイトはありません。市場形成期なので、ポータルサイト系の勢力図がまだ全然確立されておらず、広告収入?会員収入?課金収入?ベンダーとのマッチング収入?など、マネタイズモデルも各社模索中と言った状態のマーケットです。

 

分野特化型サイトでは民泊可能物件の情報を掲載する不動産情報サイトが成長しており、課金収入や広告収入、会員収入が主流のマネタイズモデルになっています。物件数だけで見ると、民泊賃貸民泊物件.com、更にbookenという3つのサイトの規模が比較的大きいと思われます。不動産情報サイトは物件を提供してくれるオーナーや不動産会社とのコネクションが成否を決めるため、ポータルサイトよりも新規参入が相対的に難しいマーケットだと思われます。

 

続いて分野特化系情報サイトとしてゴミ収集業者とホストを結ぶ「民泊ゴミ.com」というサイトがあります。とてもニッチそうなマーケットですが、民泊施設から出るゴミや廃棄物を、一般廃棄物収集運搬許可業者・産業廃棄物収集運搬許可業者とマッチングさせるサービスです。この領域では今のところリンクスという会社だけが手掛けているようです。

 

更に、平成28年4月25日には、民泊及び訪日旅行についてのキュレーションサイトの共同運営を目的に、株式会社ウィルゲートと資本業務提携を行ったと株式会社エボラブルアジアが発表。民泊関連のオウンドメディア事業を開始すると発表しています。

 

IoTのテック系では、ベンチャー企業の「Qrio」がスマートロックのデバイスをリリースしています。これは遠隔で鍵の開け閉めができるものなので、民泊特化というよりは、不動産内覧時の業務効率化など多様な使用用途で展開しているようです。

データマイニング・分析ツール系の市場

民泊運営に際してエリアや料金設定は重要ファクター。airbnbの物件データをクローリングしてDB化、分析データとして提供するデータマイニング系の会社がいくつかあります。この分野の最大手である「AirDNA」というサービスを国内のジェイピーモバイルが独占販売権を取得し、提供しています。国内の新規参入企業ではオックスコンサルティングとビッグデータソリューションのゴーリストが共同で提供する「BnB Insight」というサービスがあります。また、ジェイピーモバイルは「民泊WIFI」というwifiサービスもリリースしています。

セミナー系の市場

民泊をはじめたい法人や個人を対象にした民泊参入イベントのビジネス。こちらは経験値のある個人ホストや法人ホストが全国各地でセミナーを行い、参加費を徴収するモデル。マーケットというよりは、マイクロビジネスと言った感じです。

 

民泊市場の拡大に伴い、周辺・関連市場のビジネスチャンスも広がりを見せています。民泊賃貸では今後も関連市場の情報をキャッチアップして発信していきたいと思います。

  


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