民泊は規制緩和へ
日本では民泊に対して旅館・ホテル業界の反発が強く、18年施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)で営業日数を年間180日以内とするなど制限が課せられた。ただ、21年に家庭用の台所を使った食事の提供が許可されるなど緩和の動きもある。
政府はインバウンド回復を見据え、23年度に管理業者の要件を緩和する方針だ。民泊新法では家主が住んでいない物件などは、管理業者に委託することが義務付けられている。現状、管理業者となるには実務経験や宅地建物取引士などの資格が必要だが、講習を受ければ認めることにする。
恩恵を受けるのが地方だ。現状では管理業者の7割が都市部に集中していて、岩手、山形など6県では5社以下となっている。要件緩和で物件の所有者自身のほか、地域の旅行業者や観光地域づくり法人(DMO)が管理を担える。
民泊事業者の百戦錬磨(仙台市)社長で、業界団体「住宅宿泊協会」の代表を務める上山康博氏は「地方には趣深い古民家も多く、モノはあるのに管理するヒトがいないために活用が進まない課題があった。緩和は深刻化する空き家対策にもつながる」と期待する。
日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67342170V00C23A1TB2000/